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    <title>叢雲</title>
    <link>https://tamazou.kashi-hondana.com</link>
    <description>叢雲・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 たまぞう.</copyright>
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    <item>
      <title>９ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39364</link>
      <pubDate>Mon, 18 May 2026 00:29:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　レナードの店に入ると兄は来客と話をしていた。彼女が邪魔にならないように店頭の商品を眺めていると、
「ティナ、ちょうどいいところで」とレナードが声をかけてきた。
　客人は彼女を見て少し驚いたような顔をする。
「アンタがゴブリン・ジェネラルとメイジを倒したって冒険者かい？」
「……へ？」
「ああ、すまねえ、話が見えてねえな？　俺はこの村の冒険者ギルドの支部長のオーウェンって言うんだよ。最近、この村の周辺でゴブリンが増えちまって、討伐のために神殿に間借りしている小さな支部なんだ」
「レナードの妹、ティナです、どうも、よろしく」と彼女は軽く挨拶した。
「今朝方のゴブリンの襲撃の件だ。居合わせた他の冒険者に聞いたんだが、赤毛の女の子がゴブリン・ジェネラルとメイジを倒したって聞いて……」
「ううんと……　あのデカい奴のこと？」
　ティナの反応にオーウェンは苦笑しながら、
「そう、そのデカい奴のこと」...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>８ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39363</link>
      <pubDate>Thu, 14 May 2026 23:31:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ウィルフレッドとジーンと共に宿屋に戻ってきたティナは、自分の客室に戻ると剣をまじまじと眺めた。虹色の光は以前よりも強まり、あれほどゴブリンを屠ったのに曇り一つない。確かにとんでもない魔剣だと思わせる。
「さっきはありがとうね、あたしのところに来てくれて」と彼女は剣に囁きかけた。「きっと来てくれるって……　そんな気がしたんだ」
　剣は静かに光を放っている。彼女は剣をサイドチェストの上に置いた。疲れているはずなのに、妙に気が立っている。それでも体は休息を求めている、彼女は汚れた服を脱ぎ捨てるとごろりとベッドに横たわった。
「ふう……」と無意識に溜息が漏れた。
　これがかつての勇者たちが感じた勝利の後の倦怠なのだろう。漲っていた力をゆっくりと鎮めていくと、ようやく彼女は眠りについた。

　昼頃に目を覚ますとティナはウィルフレッドとジーンと共に昼食を取り、もう一度兄の家に行くことにした。ウィルフ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>７ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39362</link>
      <pubDate>Tue, 12 May 2026 19:14:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「ティナ、おおい、ティナ！」
　誰かに呼ばれて彼女は振り返った。そこにいたのはマイルとトールの兄弟だ。
「大丈夫か？　怪我は？」とトールが尋ねてきた。
「ああ、大丈夫だよ、どこも痛くないから……　あんたたちは？」
「大丈夫、かすり傷程度だよ」とマイルが答えた。「いや、まいったよ。農村を荒らすゴブリンを討伐するはずが、連中、随分集結していたみたいでさ。とにかく村に知らせようとしたが、追いつかれちまったよ」
「やれやれ、ひどい夜だったよ」とトール。「とりあえず、神殿にみんな避難してるはずだ」
「避難……　あっ！」
「どうした、ティナ？」とマイル。
「義姉さんがお産だったの！」と言い残して彼女は走り出した。
「お産？　え？　もしかしてローラさんのこと？」外出していたマイルは夜中のお産の騒ぎを知らない、少しきょとんとした顔をしている。
「そうだよ、お産！　俺たちも様子を見に行こうぜ！」とトールもマ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>６ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39361</link>
      <pubDate>Fri, 08 May 2026 20:55:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　トールは壁をよじ登ると、すかさず矢を番えて、壁に取り付いてきたゴブリンに射かけ始める。ティナは剣を抜き、壁をよじ登って侵入してきたゴブリンに肉薄した。
　彼女は身を低めて二体のゴブリンの足元を狙って薙ぐように剣を奮い、倒れた一体を袈裟懸けにして、返す刃でとどめを刺した。もう一体は彼女に掴みかかってきたが、身をよけつつ蹴り飛ばし、地に身を転じたところで剣を突きたてるようにとどめを刺す。さらに飛び込んできたゴブリンを剣先で突き、よろけたところを蹴り上げてその上に乗りあがり、首を刈った。刃はゴブリンの血と肉に汚れ、少々重く感じる。しかし休んでいる暇などない。
　彼女は新たな敵の脛を薙ぎ、身を崩したところをそのまま蹴って倒し、頭に剣を振り下ろした。既に刃は脂に塗れて、まるでこん棒のような扱いだ。彼女の背後を取ろうと近付いてきたゴブリンの棍棒をかわすと、そのまま地に身を転じて起き上がり、鋭い蹴りを...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>５ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39360</link>
      <pubDate>Sat, 02 May 2026 00:24:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　レナードの家に到着すると、既に近所の女たちが手伝いをしていた。家の前でレナードが落ち着かない様子で行ったり来たりしている。
「兄ちゃん！」とティナが兄を呼ぶ。
「ティナ、お前も来てくれたのか。男は出てろって言われて、この様だよ」
「ドキドキするね！」
「ああ、本当に……　バーグマン伯爵、わざわざご足労いただいて……」と後ろにいたウィルフレッドに会釈した。
「こういうときには男はあまり出る幕がないからな」とウィルフレッド。「湯は足りているか？　薪でも準備しておくか？」
　レナードはその言葉に頷いて、
「はい、湯はたくさん沸かしました、薪も十分あるし、近所の友人が手慣れていて……　本当に、俺、ドタバタするばかりで……」と苦笑を見せた。
「なに、次には誰かの手伝いができるだろう」と肩を叩いた。
　農村にとって重要な農耕具を直してくれる鍛冶師のレナードは、村人にとっては大事な人材だ。ここぞとばか...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>４ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39359</link>
      <pubDate>Mon, 27 Apr 2026 18:42:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　昼食を終えて一息ついた後、ウィルフレッドは村はずれの空き地でティナの練習を見ることにした。子供の頃からずっと教えてきたその弟子が、最近では急成長していることには既に気付いていた。ほぼ同時期から練習を始めたカイルよりも、正直言って強くなっている。いつの間にか身に着けていた身体強化術も自在に操り、疲れることを知らないかのような持久力、彼が教えていないことまで鮮やかに披露する様は、騎士団長として長年勤めあげた彼にとっても脅威と言えた。
　もしも彼女が彼を師として対峙しなければ、彼自身は勝つのが難しいとさえ思えた。
　ウィルフレッドは構えていた木の剣を下ろすと空を見やった。
「ああ、すっかり日が暮れたな。晩飯にしようか」
「はい、先生！」とティナは嬉しそうに声を上げた。「はあ、おなか減った！　この辺のおいしい物って何だろう？」
「さて、こんなのどかな所なら、大抵のものは新鮮で美味そうだがな」とウ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>３ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39358</link>
      <pubDate>Sat, 25 Apr 2026 15:21:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ティナは大剣を一旦レナードに預け、店を出た。いつも背負っていた大きな荷物がないのは、妙に落ち着かない。そしてウィルフレッドの物問いたげな視線も落ち着かなかった。しばらく商店街を進んでいくといきなり彼女は呼び止められた。
「ティナ！」
「え？」
 振り向くとそこには見覚えのある顔。
「マイル？」
　つい先日、ダンジョンの休憩所で知り合った三人兄弟の長男、マイルだった。
　マイルはにこやかに笑うと、
「ウィルさんもこんにちは！　先日はどうもお世話になりました」と続けた。
　ウィルフレッドも表情を緩めた。
「やあ、あれから弟と妹の調子はどうだ？」とウィルフレッド。
「妹はまだ臥せっていますが、弟は大したことがなかったので、家で妹の面倒を見させてますよ」と答え、マイルはティナに向き直った。「今日はグレンたちは……？」
「グレンは今日は学校なんだって」と告げた。
「学校？　すごいな、あいつ」と驚い...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>２ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39357</link>
      <pubDate>Fri, 17 Apr 2026 20:55:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「……爺さんの葬儀には顔を出しにくくてなあ……　結局行けなかったよ」とレナード。「鍛冶屋界隈ではしばらく話題になっていたが、実は孫だというのも言い出しにくくて……」
　ウィルフレッドはレナードの背を軽く叩いた。
「ボスコークはたまにお前の話をしていたぞ」
　レナードは照れたように目を伏せた。
「まあ、いろいろとありましたが……　やっぱり、ボスコークって鍛冶師はすごい人だったなと……　俺なんて、足元にも及ばないです」
「兄ちゃん、ボスコークって名前は襲名制だって聞いたけど、そうなの？」
　ティナの言葉に兄は目をやった。
「ああ、そうだよ。親方に認められたら襲名できるが、俺には無理だったなあ……　そういえば、噂には弟子をとったと聞いたけど？」
　ティナは頷いて、
「ちょっと前にね。でも、まだ初歩しか伝えられなかったって爺ちゃんが死ぬ前に言ってた。だからかな、襲名とかそんな話も聞かなかったよ」
...]]></content:encoded>
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      <title>１ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39356</link>
      <pubDate>Fri, 10 Apr 2026 21:08:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　荷馬車の音が近付き、横を通り過ぎていく。心地よい陽射し、どこかで微かに羽虫の羽音がする。鳥のさえずり、風で囁く木の葉。ティナたちはのどかな村道を馬の背に揺られながら進んでいた。馬もそののどかさに足を速めることをせず、彼らは風に揺れる畑を眺めていた。
「静かな村だね」とティナがウィルフレッドに言った。
「ああ」と彼は頷いた。
「この向こうですよ」とジーン。
　彼らはディアストリアの南に位置するリエナ村へと来ていた。
「ほら、見えてきましたよ。あれがそうです」
　ジーンが指さす方向に集落が見えた。この周辺の農場の収穫物を一時集めるために作られたその村は、周辺の集落よりも少しは大きく人口も多かったが、それでも街と比べれば随分とのどかだ。村の目抜き通りは役所と神殿と冒険者ギルドの支部を兼ねた建物に繋がり、その周辺には小さな個人商店が軒を並べている。他にも露店が農作物や消耗品の類を売っており、小さ...]]></content:encoded>
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    <item>
      <title>１０ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39292</link>
      <pubDate>Wed, 08 Apr 2026 20:53:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　宿屋の部屋に戻ると、ティナは荷物を下ろし、その場に倒れ込むようにして眠りに落ちてしまった。ダンジョンでは気が張っていたためどうにか持ったが、レイスによって吸われた生気は若く体力のある彼女にとっても、かなりなものだったようだ。

　床の上で剣を抱え込むように眠りに落ちた彼女は、また剣の見せる古い記憶の中にいるようだった。どこからともなく伝わる気配に、彼女は呼びかけた。
「今日はどうもありがとうね」と彼女は穏やかに剣の気配に告げた。「レイスなんて格上の魔物相手に、よく生き延びられたと思うよ」
　その言葉に反応したかのように、夢の中が徐々に明るくなるような気がした。春のような日差しを感じる。穏やかな暖かさも。
「格上？　本当にそう思っているの？」
　聞き覚えのある声がしたような気がして、彼女は辺りを見回した。
「誰？」と彼女は問い、「……剣、なの？」
　声は返事を返さない。彼女がさらに辺りを見...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>９ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39291</link>
      <pubDate>Tue, 07 Apr 2026 20:19:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ウィルフレッドとティナは宿屋の前で馬車を降り、ベラスケス親子を載せた馬車は走り出した。
「やれやれ、今日は疲れたのぉ」とアレスが溜息を漏らした。「しかし怪我もなく無事に戻ってきてくれて本当に良かった。……で、どうじゃ？　ティナと少しは仲良くできたか？」
　どうやら父の関心はその辺らしい。それは息子の才能への絶対的な信頼とも言えた。
「父上……」と彼は苦笑を見せた。「今日のことを話してもいいですか？」
「ああ、話せ」とアレス。
　馬車は道をがたがたと進んでいく。街の中心の彼らの屋敷まではまだ距離がある。
「……トラップで弾かれて、第六階層まで落ちてしまいました」
　その言葉に父は俄かに渋面を浮かべる。
「魔力が弱いから同じ階層がせいぜいだと言っておったが……」
「その上、僕の呪文も封じられてしまったようで」と彼は続けた。
「な……！」
「声が全く出ませんでした」とグレン。
　アレスはその言...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>８ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39290</link>
      <pubDate>Mon, 06 Apr 2026 19:10:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　途中何回か戦闘になったが、苦労することはなかった。マイルの認識ではティナの腕前は中級くらいではないか、とのことだった。アレス、ウィルはもとより、グレンもある意味初級クラスではないため、ティナ自身もそのことには気づいてはいなかったのだ。
　そしてティナ本人も、旅に出る前と比べると、格段に体が動かしやすくなった印象がある。旅先でも朝は必ずウィルフレッドにしごかれているので、その成果だと思っていた。
　今、一般的な初級冒険者のマイル達を見て、その認識が実は桁あふれを起こしているのかも知れないと彼女は気づいた。
　原因があるとすれば、背負った魔剣だ。
　魔剣はかつての勇者ローランドの記憶を彼女に見せた。同じようにローランドや更にその前の持ち主たちの記憶や経験を、ティナに語ろうとしているのかも知れない。彼女が背負っているのはただの剣ではない。意思を持っているかも知れないと言われる特別な剣だ。

「...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>７ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39289</link>
      <pubDate>Sun, 05 Apr 2026 20:14:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ティナはその言葉に弾かれたかのように行動を起こした。瞬時に身を起こし、腰の剣をすぐに抜けるように構える。グレンはその脇で杖を握り直した。
　引き摺るような足音を立てながら現れたのは、彼ら自身と大して歳の変わらない若者たちだった。
「はぁ、はぁ、少し休ませてもらってもいいかい？」と先頭の少年が二人に尋ねかけた。
「うん、いいけど、そちらは？」とティナがさり気なくグレンをかばう位置に身をずらしながら尋ねた。
「俺はマイル、後ろは弟のトール、怪我してるのは妹のアリアナ」と彼は短く答えた。
「そう。あたしはティナ、そしてグレン」
　彼らは怪我人をゆっくりと床に横たわらせた。
「くぅ、いてて……」身をかがめたときに弟が思わず呻いた。
「大丈夫か、トール？」
「うぅ、俺はいいから、アリアナに回復薬を使ってくれ」
　床に身を横たえた少女は出血していて意識がほとんどない様子だ。
「何があったの？」とティ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>６ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39288</link>
      <pubDate>Sat, 04 Apr 2026 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ティナはグレンの前に出ると、光苔が擦れている方へと足を向けた。その方が人の通った痕跡を見つけやすいと思ったのだ。それを追っていけば、階段やスロープを見つけることができるに違いない。途中で毒ワームや大ムカデに出くわしたが、二人で戦ったために苦戦することはなかった。
　しばらく行くと、ギルドで設置した休憩所を見つけた。
「第五階層の休憩所みたいだね」とグレン。
「少し休んでもいい？」
「うん、そうしよう」

　二人は休憩所に入ると隅の小さな井戸で水をすくい、トラップで落ちたときに泥まみれになっていた顔を拭った。思わず小さな吐息が漏れてしまう。
「食事も取っておこう」とグレンが言った。
「そうだね」
　グレンが魔法で焚き火を起こし、二人はその近くに腰を下ろし、暖を取った。ぬかるみで濡れた服が体を冷やしていたからだ。
　落ち着いてから、二人はそれぞれの荷物から軽食を取り出した。トラップが発動した...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>５ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39287</link>
      <pubDate>Fri, 03 Apr 2026 20:28:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　二人はその場を後にし、男たちが去った方へと進んだ。
　ティナの剣を取り戻せる可能性もあったし、おそらくは階段の方に無意識に逃げただろうと思えたからだ。しばらく行くと光苔の薄明かりが妙に乱れたようになっている場所を見つけた。男たちが戦った跡のようだ。足元には何枚かのレイスのコインが見つかった。
「うわっ！」とティナが思わず悲鳴に近い声を上げた。男たちが折り重なるようにして倒れていたからだ。その死体は干からびた木片のように変質している。
「生気を吸い尽くされたみたいだね」とグレンが不快気に言った。
「下手したらあたしたちもこうなってたかもね」とティナが考えたくはないことを言う。「あ、あった！」
　死骸のうちの一人がティナの剣を手にしたまま絶命していた。
「の、呪われたりしない？」
「多分」
「多分かぁ……　でも剣は返してほしいからなあ。ちょっと、あんた、剣返してもらうからね！」
　少し大きな...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>４ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39286</link>
      <pubDate>Thu, 02 Apr 2026 23:46:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　薄暗闇に不気味な煙が立ち上り、それはゆっくりと人のような形を取り始める。と、それに呼応したかのように得体の知れない霊体が空間から何体も湧き上がってきた。
「ゴースト？　違う、レイスだ！」
　松明の男が震え上がった。
「真ん中の奴はリッチだぞ！　なんで最深層のモンスターがこんな所にいやがるんだ！」
「逃げろ！」
　男たちはグレンをリッチの方に突き飛ばし、尻に帆かけて逃げていく。
「グレン！」ティナは叫び、床に倒れた彼を助け起こした。
　グレンはまた激しく首を振る。
「逃げないよ、だって、パーティーメンバーでしょ？」
　ティナはグレンを窪みに押し込み、素早く床に身を転じて足元にあった大剣を手にした。
「あんたたちの相手はこのあたしだよ！」と煽るように叫ぶ。レイスたちがどっと彼女に押し寄せ、そのうち何体かは逃げていった男たちを追いかけた。
　彼女が柄に手をかけると剣の刃は光り輝き、彼女は光る剣...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>３ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39284</link>
      <pubDate>Wed, 01 Apr 2026 23:08:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　マジックキャスターの親子がいたため、松明はウィルがまとめて運んでいたので、ティナは用意していなかった。壁に生えた光苔の淡い光を頼りに、彼らは通路を進んだ。途中大ムカデに数回遭遇したが、ティナは初級冒険者とは思えない安定感でそれらを切り伏せていく。
「なんか、この界隈、気持ち悪いモンスターが多いよね」とげんなりした表情でティナが言った。
　グレンはどうにかして彼女に、もしかしたら第五階層よりも深い階層に飛ばされているかもしれないと伝えたいのだが、言葉を発することができない。筆談をするほどの余裕もない。元より薄暗くて字を読み書きできるとも思えない。
　そしてそれがわかったとしても、何ができるというわけでもないのだ。

　さらに彼らは進み、大ムカデを倒したところで前方に松明らしき光がちらついているのに気づいた。
「グレン、誰かいるみたい。様子を見てみようか？」
　ティナの言葉に彼は頷き、彼らは...]]></content:encoded>
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      <title>２ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39283</link>
      <pubDate>Tue, 31 Mar 2026 20:10:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　水の滴る音がする。規則正しく、だが、少し苛立つような音。彼は身を起こすと、辺りが暗いことに気づいた。
「【ライト】」と呪文を唱えようとした、が、なぜか声が出ないことに気づいた。
　グレンは口元に触れ、喉に触れ、胸を軽く叩いてみたがどうしても声が出ないのだ。彼は不安に駆られ、慄いた。
「グレン！」
　聞き覚えのある声が彼の間近で響いた。ティナの声だ。
「大丈夫？　怪我はない？」と尋ねて彼女は手を伸ばした。泥濘にはまって湿った服らしきものに彼女の指先が触れた。「どうやら泥で滑った瞬間に何かに触れて、トラップが発動しちゃったみたいだよ」
　少しずつ目が慣れてきた。洞窟の壁の光苔の類がうっすらと二人を照らし出している。不安に震えるグレンの肩を宥めるようにティナは撫でた。
　グレンはまだ怯えていたが、一人ではないことに安堵を覚えた。
「大丈夫、ちょっと呼吸を整えて」と彼女は彼の背を撫でた。「それほ...]]></content:encoded>
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      <title>１ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/39281</link>
      <pubDate>Mon, 30 Mar 2026 19:31:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　夜半から雨が降り始め、朝になってもしとしとと降り続けていた。ティナは防水布のマントに包まるようにして、ウィルフレッドとともに歩いていた。
「雨が降ったらダンジョンの中ってどうなの？」と彼女はウィルフレッドに尋ねた。
「場所によりけりだな」と彼は応じ、マントの前を合わせた。「我々が潜っている郊外のダンジョンについては、下層階では一部水没することもあると聞いたが、すぐに水は掃ける。だが足元がぬかるむから転ぶなよ」
「ああ、やっぱり泥んこになるんだね」とティナがいやそうな顔をする。ウィルフレッドは苦笑して、
「まあ、晴れの日ばかりではないということだ」と言った。
　待ち合わせ場所につくと、既にベラスケス親子が待っていた。彼らは急ぎ足でダンジョンに向かった。
　今回のダンジョンへの踏査は若い二人のための訓練だ。急ぐわけではないし、命をかけるようなことも必要がない。ただ地下に潜ってその雰囲気を憶え...]]></content:encoded>
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    <item>
      <title>１７ - 謡う魔剣と少女の物語</title>
      <link>https://tamazou.kashi-hondana.com/author/page/2614/section/38833</link>
      <pubDate>Fri, 27 Mar 2026 20:56:00 +0900</pubDate>
      <description>名鍛冶師だった亡くなった祖父。
祖父が隠すように蔵にしまっていた剣の正体とは？
少女は剣の秘密を解く旅へと赴く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　執務室を出ると、廊下でハワードが立って待っていた。
「お茶もお出しせず申し訳ありません」
　ティナは思わず床に転がっていたティーカップを思い出して、
「あ、いえ」と慌てて誤魔化した。
「何分、気難しい方なもので。お呼びいただくまではお邪魔をしないことになっておりまして。掃除も許可がないと、その……」
「あ、ああ、ははは……」と彼女はまた誤魔化した。「大丈夫です、誰にも言いませんから」
　ハワードは辺りを見回してから、そそくさと包みをティナに手渡した。
「これはその、些少ではありますが……」
　どうやら口止め料的なものらしい。
「いえ、それは、その、受け取るわけには……」
「大したものではありませんから、その……」と言って彼は困ったように笑った。これは受け取っておいた方が、ハワード的には安心する物なのだろう。
「ええと、じゃあ、その、いただいておきます」とティナは受け取ることにした。「あ、...]]></content:encoded>
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